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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

宣教者の声

チャドからのお便り(日本に帰国して)

クリスト・ロア宣教修道女会 シスター大畑 八重子
ご支援への感謝
 突然でしたが、会の都合で帰国しました。皆様の温かいお祈りとご援助に支えられ、今日まで元気で働くことができましたことを心より厚くお礼申し上げます。
 短い期間でしたが、お陰さまでチャド国ベレの小学生58名にお裁縫を通して、識字教育と保健衛生を教える恵を頂きました。
 校長先生のお誘いで実現したこの裁縫教室の生徒たちは、初めて手にする針や糸を使っての運針や釦付けに悪戦苦闘していました。それでも、入手が難しいムッシュワー(頭巾)や通学用のカバン(袋)を制作できる楽しみと嬉しさに、38〜39℃の厳しい暑さの中を通学してきました。
 欠席者が増えることを覚悟していたにもかかわらず、彼女たちは30分以上も前から教室に集まり、週3日の3クラスで、1時間授業の予定が、余りの熱心さに押されて、毎日2時間の授業となりました。終了式まで一日も出席しなかった生徒は7名だけとなりました。
 終了式に校長先生から作品を贈呈された一人の生徒は、通学用のカバンを背負い、「サカド(リュック)だ!サカドだ!」と言って、大喜びで踊っていました。彼女は下校した後、病気の母親の世話をして、午後になって裁縫教室に通って来ていましたが、いつも遅刻する分、残って頑張っていました。それだけに、喜びも一入だったのでしょう。涙がこぼれてしまいました。
 釦付けができるようになった子が、級友の釦を付けてやる姿が目に入ったり、自分の名前が読めない、書けない子が、読み書きできるようになったりして、砂地に小さな芽生えを感じられるようになった時だけに、後ろ髪を引かれる思いでした。
 「帰って来て!」と、見送りに来てくださったベレの人々と共に祈りつつ、その時が与えられるまで、この日本で彼らのためにできることをして参りたいと思っています。
 今、チャドは大統領選挙を控え、政府軍と反政府軍との間で戦いが起きています。どうぞチャドの国民のため、また現地で働いているミッショネールの人々のためにお祈り下さいますようお願いいたします。
 感謝のうちに、祈りをこめて。有り難うございました。
ムッシュワー(頭巾)を作る生徒

ムッシュワー(頭巾)を作る生徒。糸の動かし方を指導しているところ

自作品を身に付け、通学カバンを手に記念写真

自作品を身に付け、通学カバンを手に記念写真。小学校長とトーゴー人の神父様と生徒たち
2006年04月




チャドからのお便り(ンジェメナ)

ショファイュの幼きイエズス修道会 日置 マリエ
聖木曜日の体験
 ドーン、シュー、ドンドン! それは雷鳴ではありません。ましてや花火でもありません。クーデターによる威嚇射撃です。5時半頃から始まったというこの威嚇射撃!
 私が耳にしたのは6時。シヤペルの中で念祷中でした。「アッ、始まった!」と思いながら、他のシスターたちを見まわしました。皆、身動きせず祈り続けています。私は内心「弾」が飛んで来はしないかとヒヤヒヤでした。約4時間この射撃は続きました。
 司教館からの悲しいニュースがその後入ってきました。去年叙階されたコンボニア会の神父様のお父様が流れ弾に当たって即死されたのです。
 2日後、そのご自宅にお悔やみに行く機会に恵まれました。亡くなられたお父様のご兄弟がいらしたのですが、その方に「私たちと共にいてくれてありがとう」と言われ、一瞬、この場になのか、それともこの貧しいチャドの国にいることなのか、判断しかねましたがいずれにしても「共にいる」、「共感共生」について考えさせられる言葉でした。
 話を聖木曜日に戻しますが、その日私たちはミサに与るために、宿泊者の了解を得て、夕食の時間を一時間早めたのです。ところが様々な危険を避けるために、ミサの前の鐘は鳴らさず、ミサも一時間早めたとのことで、私たちが出かけようとした時は、すでにミサは済んでいました。残念! 今年も100人を越える受洗者を迎えたご復活祭、恐怖を共に味わった兄弟たちとの平和のあいさつの握手をする手に思わず力が入りました。「ドーン、シュー、ドンドン」が花火の音に変わる日が来ることを願いつつ、引き続き皆様のお祈りによる支えを心からお願い致します。
2006年04月13日




チャドからのお便り(ンジェメナ)

ショファイュの幼きイエズス修道会 有薗 順子
 今年も創立者バーデン・ボウェルの祝日に、ンジェメナ大司教区では13の小教区から約1、100名のガールスカウトがアトロンの小学校でキャンプを行いました。クイズ、演劇、コーラスの他、例年の専門家によるエイズ問題、生命の尊さ、早婚、早産の弊害について講演が行われ、活発な質疑応答が続きました。
2006年04月13日