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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

宣教者の声

ソロモンからのお便り(メダンにて)

サレジオ修道会司祭 飯田 徹
海外宣教者を支援する会御中

†主の平和と善

 日本は学校等夏休み中で、暑い日が続いている事と思います、海外宣教者を支援する会の皆様方には、暑さに負ける事無くご活躍の事と思います。此方ソロモンは、最近は幾分天候が安定してきて、暑い日も有りますが、例年に比べるとまだまだ涼しく過ごし易い日が続いています。繰り返しになりますが、ソロモンは熱帯に在りながら、熱帯夜が無く、助かります。
 前回送ってから早くも一月がたってしまいました、7月中に送ろうと思いながら、週に一度月曜日と言う事情から、8月にずれ込んでしまいました。今回も「ソロモンにも目を向けてください」を送りますので宜しくおねがいいたします。

ソロモンにも目を向けてください
 ソロモンの住宅に付いてお知らせします。首都のホニアラには鉄筋コンクリート5階建て程度のビルディングも有り、工場などは鉄骨トタン板張り等見られます。市街地の住宅は木造或はコンクリートブロック積みトタン屋根、平屋建てが殆どで、2階建ては少数です。村落部では木造トタン屋根の家屋も有りますが、殆どが木造と言って良いのかどうか、丸太で骨組みをした物にニッパ椰子の葉で屋根を葺き、竹を割った物や椰子の葉で周囲を囲んだだけの家屋が主流です。周囲を板で囲んだ場合は窓(ガラスなど無く、跳ね挙げ式の戸が付いている)が在り、昼間は室内の明り取りになっています、しかしそうでない場合は出入り口だけが明り取りで、室内は薄暗いです。
 気温が25度Cより下がる事の稀なソロモンの住宅は、雨露が凌げればよく、防寒保温を考える必要が全く無く、簡単な造りで、夜寝る為と雨の日に雨宿りする為と言ったが家が多いです。天気の日は風通しの良い木陰でのんびり過ごすのが村落部におけるソロモンスタイル?のようです。湿気のせいか暑さのせいかは解りませんが(或は蚊の対策?)、どの住宅も1−2m位の高床式で、床は切り出したままの板張りで、多くの場合夜は椰子の葉で編んだ茣蓙を敷いて、着の身着のままで寝ているようです。以前お知らせした様に、室内には家具といったものは無く、良くてベッド用の木の台とスポンジマットレスと蚊帳があるくらいです。床板は切り出したままの板で、鉋等で仕上げていない為、表面はざらつき、小さな凸凹があり、ゴミ汚れが溜まり易くなっています。ソロモンの人々は経済的貧しさの故に、履物を買わず、多くの人が裸足で、汚れたままの足で出入りするので、床は垢と汚れで黒光りしている場合も有ります。
 床下は物置と言っても何の財産があるわけでなく、何かに利用できるかもしれないゴミが置いてあるだけです。
 ニッパ椰子の葉の屋根は厚く丁寧に葺けば、太陽熱を遮断して涼しく、雨漏りの心配は無いのですが、多くの場合薄く雑な為、傷んだ所からの雨漏りがするようです。
 (余談になりますが、フィリピンの村落部における富豪の家の屋根は厚さ30cm以上のニッパ椰子葺きが多く、中金持ちはトタン屋根、貧乏人は厚さ10cm以下のニッパ椰子葺きでした。それをソロモンに当て嵌めると、村落部には富豪は居らず、中金持ちと貧乏人ばかりということになります。)
 ソロモンの人たちにとって雨漏りの心配の無いトタン屋根は憧れの的のようで、98年の民族紛争以後、無人となった工場やその他の施設のトタン屋根を盗み、屋根を葺いている例が多く見られます。屋根を剥がれた工場の設備は雨ざらしとなり4年も過ぎますので、恐らく現在では復旧不能と思われます。この件に関しては次回お知らせしたいと思います。
 ソロモンの村落部における平均的な家屋の写真を送ります。テテレ小教区内の東の端のノヌと言う部落の家屋で、ノヌ部落には御聖堂以外はトタン屋根は見られません。写真はメインロードからノヌ部落へ到る奥の細道と家屋、カスタムキッチンなどです。
その1

その2

その3

その4

2004年08月